■香港の競馬2
1997年にイギリスから中国に返還された香港は、現在は中国の特別行政区となっていて、東京都の約半分である1098平方キロの面積に約700万人の人口を抱えています。これだけの面積、人口のところに競馬場を二つ抱えています。かつて植民者であったイギリスが香港に持ち込んだ競馬は、イギリスの香りを残しつつも、現在も香港に残り、香港市民の娯楽として親しまれています。市民の一攫千金の夢を叶える舞台として愛され、親しまれているわけです。皆さんも機会があれば香港旅行のついでに香港の競馬場に足を運んでみてはいかがでしょうか。本場イギリスの競馬場の雰囲気と、香港の人々の熱気とを味わうことができるでしょう。
香港には競馬場が2箇所ありますが、そのうちの一つが新界にある沙田競馬場、もう一つが香港島にある跑馬地競馬場です。この跑馬地競馬場は別名ハッピーバレー競馬場とも呼ばれています。このハッピーバレー競馬場はある意味香港らしい味わいを色濃く持った競馬場だと言えます。ハッピーバレー競馬場は香港島に雨後の筍の如く立ち並ぶ高層ビル群の谷間にあります。まさにビルの谷間の、狭い渓谷のようなところに無理やり押し込んだような形になっていて、コースもやや変形楕円の形になっています。ここで行われるレースを見ると、立ち並ぶ高層ビルと走る馬たちとが織り成す光景がなんとも言えずミスマッチで、それがまたなんとも言えない趣を為しています。少なくとも日本にある競馬場ではどこでもこうした光景を見ることができないでしょう。このハッピーバレー競馬場は大きさとしてはかなり小さな競馬場ですが、スタンドや電光掲示板などの設備は立派なものを誇っています。またこの競馬場の面白いところはその形や位置に止まりません。
競馬場の周辺を歩いていると、他の場所では見られない、一風代わった道路標識を見かけます。これらの道路標識には馬の絵が描かれています。これは競馬開催日にはレースの前後の馬が一般道路を通行して移動するために設けてある標識で、一般の自動車などの間を縫って横断歩道などを馬がパカパカと歩いて横断するさまはこれまた他では見られない面白い光景です。
香港の名物の一つに2階建て路面電車であるトラムがありますが、このトラムは香港島でのみ走っています。ハッピーバレー競馬場へ行くにはこのトラムが最も便利で、跑馬地(ハッピーバレー)行きのトラムに乗って、跑馬地の次で下車します。ちなみのこのトラムの停留所には停留所の名前が無いので、トラムに乗るときは地図と周囲の道路名とをにらめっこしながら、現在自分が走っているところを常に確認しておく必要があります。この馬場の周りを単線のトラムが右回りで走っています。西側の高架道路の下辺りに競馬場の入り口があります。入場料は一般席なら10香港ドル、パスポートを見せれば入れる会員席は50香港ドルです。この会員席は一般席よりも高い位置にあって、パドックもこの会員席からしか見えません。パドックを見たい人は、会員席に座ることになります。